2010/08/27

100827自然教育園(白金台)

何年かぶりに白金台の自然教育園に行ってみた.江戸時代は高松藩主の下屋敷だったところで,今は国立科学博物館の一施設になっている.高速道路やビルに囲まれてはいるものの,起伏に富んだ20haもの園内には雑木林や池や湿地があって,武蔵野台地を刻む谷津の原風景が残されている.入園者はリボンを付けることになっている.リボンの数には限りがあり,これによって入園者数を制限する仕組みになっているようだ.都内では珍しく,静かな雰囲気の中でゆっくりと自然に親しむことが出来る.私の好きな場所のひとつだ.

キツネノカミソリ Lycoris sanguinea (ヒガンバナ科)
この夏は猛暑続きで,しかも雨が殆ど降らなかった.そのせいか,どの花も夏ばて気味だ.いつもはこの季節に林床でひときわ目立つオレンジ色の花だが,今日はだいぶくたびれた感じだった.


ノシラン Ophiopogon jaburan (ユリ科)
ラン(蘭)というからラン科かと思ったら,ユリ科だという.前掲のキツネノカミソリはユリに似ているからユリ科かと思ったらヒガンバナ科だそうだ.なるほど,ノシランの花は蘭の花とはまるで違っている.分類学は奥が深い.


ナンバンギセル Aeginetia indica (ハマウツボ科)
池のそばのヨシが茂っているところに群落があった.ススキの根などに寄生する植物だそうだ.確かにキセルに似ている.しかし,タバコと一緒にキセルが日本に入ってくる以前は,「思い草」と呼ばれていたそうだ.頭を垂れ,物思いにふけっている姿に例えたか.う~む.


メハジキ Leomurus sibiricus (シソ科)
バカでかいハッカのお化けみたいな形をしている.時々見かけるが,これまで名前を知らなかった.この茎を使う子供の遊びから名前が付いたと言うが,異論もあるようだ.

ヒメガマ Typha angustitolia (ガマ科)
大国主命が蒲の穂綿でいたずらウサギのヤケドを治した話しは有名だが,実際に効いたのは穂綿になる雌花ではなくて穂先のとがった部分を構成している雄花の花粉だったという.それはともかく,この特徴ある形は蒲鉾(かまぼこ)の由来になったもの.関東に人は蒲鉾というと板の上に魚のすり身を盛ったものを思い浮かべるが,松江では,竹輪のように棒の周りにすり身を絡めて焼いたものを蒲鉾とか野焼き(蒲鉾)と言っていた.これこそ元祖蒲鉾であり,板蒲鉾は蒲鉾ではない!ちなみに,野焼き蒲鉾はあご(トビウオ)のすり身でつくったものが一番旨い.

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